2009年きんぴら通信
 
 

5月号

《相変わらず忙しい日々ですが》by店長

3月の下旬から森作業の続きでキノコの菌ウチ作業が始まり、同時に進めようと思っていた枝材のチップつくりはほとんど出来ずに4月に入り、苗つくりと種まきや畑の準備などでキノコの菌ウチ作業も途中下車の状態でいます。平出の泉の桜も急ぎ足のように満開になり、散り始めそうな勢いです。

今日は雨です。疲れた体を休めるにはうってつけな日かと思いきや、そうは問屋がおろしません。日曜の午前中に稲の種まきを予定しているので、今日は雨の中田んぼで苗床つくりをしました。大人たちの合羽を着ての外作業は子供のころよく見た風景のような気がします。それなりに大変な作業だったのだと思えますが、子供のときには楽しそうに見えていました。雨河童に当たる雨音を楽しみながら今日は外作業をします。トラクターのすぐ横をツバメが勢いよく追い越していきます。タンポポが一面に咲き始めました。

季節に追われての生活はとても大変ではありますが、人間らしい生活なのだと実感しています。まだまだ自分のやっている農林業が生活を支えてくれているとは思えませんが、自分の行く道としては確かな道を歩いているという核心みたいなものを感じてはいます。だから体のきつい時にもがんばれていると思えるのです。そうですね、大げさかもしれませんが、田んぼや畑や山作業をしているときにぽっくりと倒れて逝くというのもいいなぁと正直思っているのです。きんぴらの森の駐車場側の松の木の高いところにカラスの巣が出来ていて毎日のようにたくさんのカラスが集まって追い回したり追い回されたりと騒がしくなっています。もしかしたら子育てが始まっているのかもしれませんね。森の中では大好きなダンコウバイの黄色の花も咲いています。

ラジオ深夜便で新井満さんが良寛さんの詩をわかりやすい言葉に直して朗読しているのを聴いてやはり人の行き先はこれなのかもしれないなぁといっそう思いを強くしたのです。自給自足と質素な生活が自分も含め世界中の人が幸せに平和に暮らせる只ひとつの確かなことではないのだろうかと思えるのですが、いやはや物と欲が切りなくほしがる人間の多いことか。やはり難しいことなんだろうな。昨年秋に大きくなれずに冬を迎えた白菜たちがきれいな黄色の菜の花になって風に揺れています。ただ違っているのは蜂が飛んでいません。

 

8月号
 

やっぱり、日本の政治はおかしいと思うんだなぁ。
 

2ヶ月も通信をスキップしてしまいました。書きたい事が無かった訳ではありませんでしたが、雨続きの日があまりにも多く、倒れたライ麦を起こしたり、手刈りはぜ掛け作業をしたりで、なかなか時間にゆとりが出来ませんでした。お菓子の注文が入ってもこれまた作ってる時間が取れませんでした。今は刈り取り乾燥ゴミ取り袋詰まですべて済みまして。麦の方はいいのですが、田んぼの雑草は昨年よりも多く、草取りに早々取り掛からないと大変な状態になってしまいます。近況報告というか言い訳はこの辺にしまして、ずっと気になっていたことを書きたいと思います。
今朝のNHKラジオでは小泉総理の改革の影響がじわじわと出てきているのだという。特に企業寄りアメリカ寄りの考えであった改革の一つ、派遣社員を良しとした政策は簡単に失業者をあふれさす事につながってしまった。本来企業というものは労働者や社会の為のものであったはずです。労働者が企業の為にあるという逆の発想になってしまっているし、社会の為ではなく金持ちの株主の為の企業になっています。いまや企業の成長や儲けたお金の額などは農林水産労働者や僕のような小さなパン屋をしている自営業者には全く関係ないような気がしています。資産や財産を増やして豊かになるというならば、お金がお金を作るという事はないのですから、本来は物を作るという労働による事でしか作り増やすことは出来ないのですから、人の生活も政治もそこを大切にしなければならないのでしょう。レジャー産業でも、たとえばスポーツ観戦、ゲーム・パチンコや宝くじでお金は確かに動きはしますが、価値は生まれて増えてはいません。社会に貢献している農林水産業者が食えないと嘆いているのを見たり聞いたりすると、なんともむなしい情けない世の中になったもんだと思うのです。

僕は経済成長のない豊かさを求めています。願っていました。物の多さや 便利さを追っている分には経済第一主義でよかったのでしょう。
けれども今は違います。車もテレビの洗濯機もパソコンもエアコンも2つよりも3つ、5個より6個とは要りません。必要な数だけあればいいのです。物事にはちょうどの量というものが必ずあります。金や物が飽和状態になってから何を次に求めて行ったらいいのかは決まっています。生活の質の豊かさによる心の満足感や使う物の質の向上しかありません。そのような方向をいつまでたっても考えないし見ないで、この国のトップはいつまでたっても欲に任せお金と物を追い続けているのです。
不況になってから政府が行う目立った国民へのサービスは本当に困ってる国民に対してのサービスではなく、ある程度お金にゆとりのある国民にしかしないようです。それはお金を使って企業にお金を回してくれる人だけには割引しましょう。企業が客引きの為にする値引きを国が代わりにしています。ETCを買ってくれるというか買える人が高速料金の割引と言う国のサービスを受けることが出来ます。新車の買える人がこれまた割引サービスを受けることが出来ます。ポイント制度もそうでした。早く並んでチケットを多く買えた人が国のサービスを受けることが出来ます。公的な事業、特にサービスなどと言うものは図書館と一緒で、国民一人ひとりが隔てや差別なく受けることが出来るという条件、考え方は基本中の基本だと思うのです。お金にゆとりのある人達だけが公的サービスを受けられるなどと言う政策などは下の下の策です。無駄遣いを棚に上げて赤字が増えるからといって税を増やすと言うのは、誰でも出来ることです。特別な才を持っている人が議員になったり官僚になっている訳ではどうもないのでしょう。消費税は将来上げたいといっていますから。国の公的サービスには金持ち有利に、その為の税収は金持ちも貧困層からも平等にいただきますという訳です。将来をなんに頼れるのかと考えると、自分たちの体力気力少ない貯金やたくわえだけが頼りになってしまっている現在、議員の皆さんや官僚は自分たちが受け取っている特権益やお金の事を当たり前に考えているようです。国民とは全く生きている次元が違うと思っているのでしょうか。
二酸化炭素排出を本気で減らそうと言うのだから高速道路もまだ作るはずないし、車を世の中にこれ以上ふやそうとはしないし、自転車やバイクの走りやすい専用道を増やそうとするはずだし、電車に自転車専用車を増やそうとするはずだし、火力発電と燃料確保やゴミ始末に相当な金とエネルギーを使う原子力発電はこれ以上増やさないだろうし、むしろやめて河川に小型水力発電を大急ぎで普及させるのでしょう。
海洋汚染や戦争の種になりやすい石油に頼り過ぎないように、森林整備もかねて木から燃料を作る事を推し進めるでしょう。
病院や福祉と言う生活安全国民サービスを金が掛かるからといって縮小や統合などという事しか考えられないのでは困るのです。原子力発電で深夜余ってしまう電力を何とか使ってもらう為にオール電化と称して国の補助金まで出して電気を使わせ、まだまだ発電所も増やそうと言う発想は異常としか考えられません。日本は赤字を重ねている国ではなかったのでしょうか。福祉は切れるが電気はもっと余らせたいのでしょうか。
今自分の将来を心配しないでいられるのは年金をたっぷりもらっている方と、国から恩給をたっぷりもらえるお国がらみの仕事をしてきた方でしょうか。その次が株でたっぷりもうけてその後全くその世界から離れることが出来ていた方でしょうか。一体この人たちは何を本気で心配しているのでしょうか。アメリカや企業や隣にいる自分と同じような考えの人の為にだけしか物事が考えられないのだろうか。
いったいいつになったらこの日本は経済成長の次のステップに進んでくれるのだろうか。
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お知らせ

■9月までアンパンとくりーむパンはお休みいたします。
■7月18日製造分からライ麦パンのライ麦がきんぴら農園産になりました。
■田んぼ草取りに明け暮れそうです。いつでもお手伝いしてくれる方お待ちしています。
■今年は夏休みをいただきます。8月13日から16日までお休みいたします。
■8月30日(日)は定休日となります。
■配送を普通便からクール便に切り替えます。
物にもよりますので選んでください。クール便は大きさで値段が違ってきます。
■お店に署名用紙があります、ご理解の上後署名をお願いいたします。
 

 

9月号
 

そろそろ疲れがたまってきたようだ。
 

昨夜の食事は久しぶりに家族が一人も出掛ける用事がないという事で外食(店屋で食事という事ではない)をすることとなった。昼間パンの配達に行ったついでに焼き焼きの材料を克子さんと一緒に買ってきた。鶏肉と豚肉とジンギスカンとソーセージとちくわとそれから残念ながら畑で栽培しているもろこしピーマンを買った。もろこしは後5日くらい収穫が先になりそうだ、ピーマンはちょうど大きいのがなかった。長ネギだけは畑のをとってきてくしに一緒にさして焼いて食べてみたがとても美味しかった。外で炭を興して焼き始め食べ始めた頃、店長のおなかが痛み始めた。やけに痛いので家の中に入って背中とおなかを暖めたりトイレに行ってみたが腰の当たりまで痛みが広がるばかりで、ふと2年ほど前の尿道結石の時のことを思い出した。もしかして、と思ってインターネットで調べてみると同じ人が何回もなると書いてあるではないか。早々病院へ電話をして対策をうかがってみると、就寝前までに2リットルほどの水を飲んでおしっこをいっぱいして石を流してくださいとのこと、痛みが激しい時は座薬の鎮痛剤を使ってくださいといわれ、前回の時にもらって冷蔵庫だ保存しておいた座薬を使い水をひたすら飲み始めたというわけであった。
ここの所農事の際にも水補給が出来ていなかったし、一日の中でも水をついつい飲むことを怠っていた感があった。あれから3日目であるがまだ石は出ていないようだし、積極的に飲んだ水は以前より出が悪くなっている。どうやらおしっこの出を良くする薬をもらいに病院へまた通わなくてはいけないくらい事態は悪くなってしまったようだ。


お知らせ

■やっと涼しさが戻ってきましたね。9月からアンパンとくりーむパンを再開いたします。
■9月8,9日と駒ヶ根高原で行われる、もみじクラフトに出店いたします。お店のほうは今年お休みいたしませんのでよろしくお願いいたします。
■来月の11日はきんぴら工房主宰の夜のクラフトマーケットがあります.詳しくはホームページかチラシをご覧下さい。参加者も募集していますので、興味のある方はぜひ連絡を下さい。お店からカレースープを50人分ほど無料で提供したします。沢山の方のご来店をお待ちしています。
■9月22日(火)は連休の中日となります。遠くからおいでになる方のために臨時営業いたします。沢山のパンは焼きませんが、予約や取り置きが出来ると思いますので、前もって連絡をいただけたらと思います。美味しい飲み物で一服していってください。
■今月は9月27日(日)が定休日となります。
■お店に山口県上関原発反対の署名用紙があります、ご理解の上多くの方の署名をお願いいたします。
http://shimabito.net/syomeipdf2009.pdf
http://stop-kaminoseki.net/
もう20年近くも地元の人たちは反対運動をしていて、漁師の人たちはその運動資金に苦しんでいます。国の舵取り政権が変わりましたが、大きな取り返しの付かない誰も責任など取ることの出来ない危険をはらんだ電気産業を真摯に見つめなおしてはいません。小さな一人ひとりの思いを署名という形で訴えていくしかないのでしょうか。どれだけの力があるのか分かりませんが、地元の人たちにエールのつもりでご協力をお願いいたします。
 

 

10月号
 

暇なようでやはり忙しい
 

秋野菜の種まきも終わりごまやそばの刈り取りも終わってハウスの中で乾燥させている。後は稲の刈り取りや大豆の刈り取りまで慌てて作業をすることもなく、のんびりとした時間が出来るのかと思っていたが、ごまやそばをビニールハウスに運び込むと、どうしても目の前にある雑草を何とかしないとという思いになってしまった。
ハウスの中の雑草は背丈はあるが、雨の降らない場所に生えているので根の張りは悪くほこりをこぼすように、すぐに抜くことが出来た。しかしハウスの外との境に根を着けて生えているアカザやつる植物は手で引っ張っても簡単に抜けてはくれない。鎌や草欠きを使ってしっかりやらないといけない。農事とは一年中雑草との戦いのようである。畑の中はもちろんこのビニールハウスの中や外小屋の周りや自宅周り、道路に面するあらゆる土手や空き地。一人で草刈機を持って一応に一回りこなすのに4日も掛かっている。これを年に約4回はやらないといけないのだ。雨の多い時期はかって7日経つともう元に戻ってしまうこともあるので、4回などというのは仕方ない最低ラインの数である。
僕の農業はすぐにいい結果などは期待してやってこなかったし、これから先もそうだと思う。しかし、3年先5年先には今よりもきっと良くなっているだろうという期待と希望を持ってやっている。だからやっていられるのだけれど。
作物に薬剤を使う事はそれでも近年外国産との安全面での違いを出す為に少し規制が厳しくなってきたが、体外の農家のビニールハウスや家周りの除草には除草剤が使われている。年に2回くらい撒いているだろうか。僕は毒薬(消毒などとごまかし語は使わない)は嫌いなので、絶対使わない。しかし、この除草問題は大問題で、僕の気力と体力の限界を感じている。そこで除草シートを使っていこうと昨年あたりから思っていて、この時とばかりのその作業に入ったのだが、きちっとやるとこれが結構大変で、一人でやるにはつらくて、これまたけっこう。
 

お知らせ

■自農園の無農薬栽培コンコードソースがたくさん出来ましたので、しばらくの間くりーむパンのクリームをぶどうくりーむにしております。甘すっぱさとぶどうの香りが魅力的です。
■12日以降に稲の刈り取り作業と麦の種まき作業をいたします。ボランティアしたい方が居たらぜひ連絡を下さい。お待ちしております。
■今月の11日はきんぴら工房主宰の夜のクラフトマーケットがあります.夕方4時から夜8時までです。詳しくはホームページかチラシをご覧下さい。参加者も募集していますので、興味のある方はぜひ連絡を下さい。お店からカレースープを50人分ほど無料で提供したします。沢山の方のご来店をお待ちしています。
■今月の定休は10月25日となります。
■お店に山口県上関原発反対の署名用紙があります、ご理解の上多くの方の署名をお願いいたします。
□地方空港の存続問題がテレビやラジオから流れてきます。僕にとっては全くいらないものです。先ずヒコーキに乗って出掛ける急ぎの用事とお金がありません。沢山お金を使える一部の人のために税金を使うのはもういい加減にして欲しい気持ちでいっぱいです。
 

11月号
 

石拾いをしてきました

 息子の葉君と二日間の石拾いをしてきました。先日の日曜日は月に一度の休日で、京都にいる大地君の引越しの手伝いに息子と軽トラを走らせ行って来ました。せっかく京都まで行くのだから途中で何処か石拾いの出来る所があったら行こうと息子を誘ってみると、じゃあ調べてみるねという事で、岐阜の山奥にも出掛けることになりました。蛍石が拾えるそうです。
年をとるたびに長距離の運転がつらくなってきました。高速料金はもったいないので、下の道を休み休み行くことにしました。5時間ほどで肩と首と腕が先ず痛くなり、京都へ行くだけで結構体はつらくなっていましたが、帰りの寄り道の変更はありません。二日目は左目と左足も加わってつらくてしょうがありませんでした。引越しの日は幸いにして曇りだったのですが、引越しが終わった夕方から雨が降り始めました。どうやら台風の影響だそうでこれから風も加わり天気はひどくなると天気予報で言っています。普通だとこういう状態を泣きっ面に蜂と言うのでしょうが、パン屋と農事でいつも時間に追われている者にとっては、泣きっ面に貴重な遊び時間であります。
国道から外れて県道市道と明るくなり始めた朝の道を走りだすと、地図を持っていない者の嵯峨かどうしても不安と迷いで車を走らせるのである。
コンビニのアルバイト高校生らしき女の子、道路端を歩いていたおばさん。みな親切でした。山や谷も迫ってきて、人通りも家も少なくなり、似たような山奥の狭い道を何度も曲がりどっちが本道なのか判らない交差点で、近くのお店のおじいさんらしき人に声をかけました。
『この辺に小学校がありませんか?』おじいさんはすぐに僕達の目的を見抜いて言ったものです。
「蛍石を拾いにきたんかい 小学校はこの先にあるけれど、今は使っていないよ 蛍石も観光バスでいっぱい人が来て拾って行ったでもう無くなってしまって今はもう拾えないよ、行っても拾えないよ」
『そうですか そんなにいっぱい人が来てたんですね せっかく遠くから来たので行ってみるだけいってみますね』
「もし拾えなかったら帰りにでも寄ってみろ 俺が拾ったのがあるで見せてやるわ」
『ありがとうございます 何にも拾えなかったら寄らせてもらいますね ありがとうございました』
現場はやはり多くの人が石拾いに来た形跡が多く、始めは紫や青い色を帯びた石など少しも見当たりませんでした。1時間ほどしてやっぱり無いねといいながら帰ろうと思いましたが、葉君の持っている資料に比較的右側にはまだ少し有るような事が書いてあったので、その辺だけもう一度チェックして帰ろうかとなり、細かな石を見直してみるとうっすら紫色や緑がかったものが拾えました。本にあるようなものは見つかりませんでしたが、細かな小さなかけらでも十分楽しめました。
息子の葉君は夜のクラフトマーケットに向けて石を使ったランタンを創りました。新潟の鉱山跡でその石を拾ったものですが、その時の話を聞いて僕も石拾いは結構趣味としては楽しい分野ではないかなと感じていました。
確かな目的を持った小旅行が出来ます。お土産は買うのではなく、見つけるのです。それもこの世でたった一つのものです。行くまでの道中の移動も始めて行くところですから当然楽しいものですし、人の行かない所ですから冒険っぽい事もあるでしょう。
石を拾ってからさて帰ろうとなったのですが、来た道を戻らずに長野方面、すなわち中津川方面へ抜けていくつもりだったのですが、どうやら同じ所をぐるぐると回ってしまっていないかと不安になり始め、話す内容も白い着物でも着た人が立ってたらどうしようかなどと冗談にしても良い会話ではなく、「こんな細い道でドンつまりにでもなったら2キロくらいバックしないと戻れないな」と話していたら、期待にこたえるようにドンつまりになってしまった。しかしながら幸いにそのドンつまりに牛を飼っている家があり、そこでスイッチターンをすることが出来ました。どう戻ったらいいのかそのお宅に声をかけました。
家の前の土手はつい先ほど草を刈ったばかりというようにきれいに坊主にされており、雨上がりの湿気と切り草の匂いも漂っています。大きな牛の鳴き声がすぐ裏手の牛舎から聞えてきます。静かな所です。土蔵の前を通って母屋の玄関戸を開けて声をかけてみました。
『ごめんください ごめんください ごめんください』  しばらくすると中から女の人の声がしました。昼寝をしていたようで髪の毛を手で軽く整えながらちょっとめんどくさそうな目で僕を見ながら「なんでしょうか」と声を返してくれた。
『道に迷ってしまったので道を教えて欲しいのですが』
「どちらへ行くんですか」
『中津川へ行きたいんですけれど』 と話すとめがねをかけたそのおばさんは中津川へ行くにはまったく違うしよくもまあこんな山の中にまで来たものだと思ったのだろう、下を向いてくすっと笑った。おばさんは農家の人らしくなく、丁寧な言葉使いで「どちらから来ました? 南の方から来たんですね」 
僕はどっちが南か北かは全く判らない状態だったので『坂の下の方から上ってきました』としか答えられなかった。やっぱり全然方向違いだわよという笑みを浮かべながら『金山の方へ一回戻って下呂に行ってから中津川へ行った方が判りやすいわね』 そういって簡単な地図を小さなメモ紙に鉛筆で書いて渡してくれた。草刈の後小休憩に昼寝をしていたのだろう。せっかくの所を起こしてしまったのに、丁寧に道を教え
てくれて、本当に感謝であった。
おかげで国定公園の細い渓谷沿いの紅葉できれいに染まった道を車で走り、国道にたどり着くことが出来た。
この渓谷には3・4キロの間に滝が4つも有り、遊歩道も整備されていて結構観光客が訪れる所らしい。ハイキングで歩くにはとてもいい所だった。歩いている時間が取れないのが残念であった。
京都を朝3時に出て、家に着いたのは午後2時ごろであった。30分ほど昼寝をしてからパン工場へパンの仕込みに出掛けた。結構ハードな動きで体はいたってきつくなっていたが、次の日のパンの仕事が終わった後また葉君と石拾いに出掛けることとなった。
今度は葉君が「農事もひと段落たっているし、俺石拾いに出掛けようかなぁ」 と言うではないか。
『どこへ行くんだい、例の佐久方面かい』 と聞いてみるとそうだと言う。
黒曜石のようなので青みがかった物や変わった石が取れると言うので、体はつらかったが面白そうなのでついて行く事にした。何でも3箇所も廻ると言うので、午後はまたパンの仕込みなので早く帰るために朝ではなくて今日の夕方に出発して現地でテントを張って朝から拾うことにした。
前日からの疲れが取れていない店長にはまたまたきついドライブとなっていた。
塩尻からは峠を越えて岡谷に行き、岡谷から武石峠を超えて佐久に向かうことになる。途中の難所は和田峠であった。新和田トンネルを越える手もあるが、有料なので旧道の峠道を超える事にした。夜の峠道でその上狭いのに大型車が結構通るのには驚いた。時折道の端によってやり過ごすこともしながらの峠越えであった。首と肩の痛みもひどくなってきていた。峠を越えたところで持ってきた鎮痛剤を塗ってホッカイロも貼り付けてからドライブを続けた。『んん、結構効き目あるなぁ』痛みはず
いぶんと和らいでこの調子だと大丈夫である、が目が痛くもなってきていた。夜の走行はやはり目に来るのだった。
目的地は乙女の滝と言う所で十国峠の途中であった。その場所には3時間あまりで着いた。夜の7時半頃だった。思ったよりも順調にたどり着いたが、遠く谷底からの水の流れる音だけで、近くの虫の声や鳥の声など何も無く、どうにも静か過ぎる場所である。少し気持ち悪かったが車を道路端の空きスペースに止めて荷台に寝床を作ってから寝袋に入って寝始めた。葉君と自分の寝息を聴きながら静かにしていたが道路下の方からふと低いうなり声のような声を聞いた気がした。眠気がさっとひいてしまった。この続きは怖いのでカットしましょう。
結局宿泊地を変えることにしました。さっさと移動しました。
ここらあたりには鉄平石が取れるそうで、取扱店の看板が眼に入った。基本的に石拾いは掘ったり入ってはいけないという危険な場所へは行かないでやろうと決めている。重機やつるはしなどを使って地形を変えるほどの行為をして取っていく常識はずれもいるようで、そういった者のせいで立ち入り禁止地区も増えてしまい、まともな石拾いを趣味としている人は迷惑をしているそうだ。しかしながらおいらとしては河原でのんびりと卵石やきれいな石を拾う楽しみを取り戻したかったような気持ちでいる。小学校1年の頃学校の行き帰りの道で広い道が出来、その道に砂利が敷かれたのです。当然行き帰りに石拾いが道草遊びになったわけです。きれいなキラキラする石や字の書ける石やかたちの変わったのや、母ちゃんにはこんなに石ばかり拾ってきてと小言を言われていたが、この遊びが飽き
るまでポケットの中にはしばらく石ばかりがいつも入っていたのでした。
さて、明るくなってから乙女の滝の現場に行きまして、石拾いをしたのです。いろんな種類のものがあるのではなく、ガラス質の緑がかった石を拾うことが出来ました。
ポケットに5個くらい入れてから、紅葉もきれいだし、滝の方も一回りして次の場所に移動することにした。遊歩道は比較的歩きやすく、朝のさわやかな空気が流れて鳥の声も多く空気も気分は昨夜とは打って変わっていた。
次の場所は丸子町の河原である。
晴天に恵まれすぎて暑すぎる感もあるが、子供の頃の河原の石拾い気分で楽しい。いろんな石が転がっている。ここではハンマーを使って割って、きれいな水晶体が挟まったものを見つけようという訳だ。思惑通りのものはそう簡単には見つからなかったが、子供の頃を思い出しながら小さな卵形の色の変わったものを沢山ポケットに入れて帰ってきた。
あれから1週間経って体は順調に回復してはいないのである。重い大豆や小麦粉を持ち上げるたびに左腕が悲鳴を上げている。たかが石拾いだったが、2日で5年分また寿命を縮めた気がしているのだが、好きでやっちまったんだからしょうがない。
 

お知らせ

■自農園の無農薬栽培コンコードソースがたくさん出来ましたので、しばらくの間くりーむパンのクリームをぶどうくりーむにしております。甘すっぱさとぶどうの香りが魅力的です。
もう少し経ったらりんごクリームパンの登場です。お楽しみに。
■フェアトレのスイスチョコレートも入荷いたしました。黒糖とオーガニック材料を使ったスイスの手作りチョコです。とても健康的で美味しいチョコレートです。
■スイスチョコを使ったパン、くすすたるかも作り始めました。こちらもよろしく。
■農事のほうは麦の通りの間の除草作業が始まります。小型管理機を使っての作業となりますが、今年から面積が広くなったので大変です。
お手伝いしてくれる人がいたら連絡をください。晴れの平日作業となります。
■今月の定休は11月29日となります。

 

12月号


現代人はミネラル不足だ
 

昨年より食品と暮らしの安全で特に気になっている記事がある。現代人のミネラル不足が原因でいろんな病気が発生していたことが明らかになり始めているという記事だ。本年5月号大特集必須微量元素不足に陥る食事というのとつながりの現代病は激減できるという記事でした。さわりを少し紹介します。発達障害児は68万人、うつ病は100万人、糖尿病は700万人を超えています。かつては少なかったのに、なぜこんなに増えてしまったのでしょうか。その主原因は、食べ物から必須微量元素を減らして食べているからと考えられます。
特に大きな原因は、魚を丸ごと食べなくなった、つまりめざしのような小魚を食卓に出さなくなったことや、煮干しでだしを取らなくなったからだと考えると書いてありました。糖尿病は亜鉛やパナジウムとの関連が指摘されているそうです。発達障害やうつ病が増えたのも脳や神経系の必須微量元素が不足しているための考えられているそうです。
その理由は、生物の進化と、現代の食事内容から説明できるそうです。
後は節文だけを載せますので、興味のある方は是非お店にある冊子をご覧下さい。
◎すべての生物が微量元素を利用
◎毎食、微量元素を取る必要がある。
◎インスタント食品の共通欠陥◎原因を大分類
◎菓子・弁当・肴も見直そう
◎精製塩から不足は始まった

食品と暮らしの安全ではミネラル不足を補う白だし(一般に販売されている物とは違います)の効果を確かめるために病気を持った子供達に体験をしてもらい白だしの仕様体験記を載せています。この号ではアスベルガー症候群奇跡の回復D
3ヶ月ぶりに会ったこうちゃんは、さらに大きく成長していて、試練を乗り越えて生まれた心の底からの明るい表情や言動は、周囲の人のこうちゃん像を大きく塗り替えていました。

現代人のミネラル不足は普通の生活をしていることによって起こってしまわざるを得ない状況になっています。皆が意識をしてミネラルをサプリメントではなく、食事から摂る工夫をしないといけないようです。
 

 お知らせ

■自農園の無農薬栽培のりんごの収穫までは後数年かかりそうです。今年も三郷のアラアファームの低農薬(春1回)栽培のりんごを使ってのりんごクリームパンを作っています。皮ごと使っているので香りもよいし、体にもとてもいい菓子パンです。
■フェアトレのスイスチョコレートも入荷いたしました。黒糖とオーガニック材料を使ったスイスの手作りチョコです。とても健康的で美味しいチョコレートです。
■スイスチョコを使ったパン、くすすたるかも作り始めました。こちらもよろしく。
■林業作業も4月まで忙しくやっています。
お手伝いしてくれる人がいたら連絡をください。晴れの平日作業となります。
■年末年始の休は12月27日から1月8日までとなります。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
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