2月

『いくらエコでも良いこと無いさ』 by店長

先日NHKテレビのBSで世界のドキュメンタリーという番組を見た。近年アメリカ大陸に原発や石油に変わるエコエネルギーとして約20年分の大量のシェールガスがあることが判り、アメリカではその開発に乗り出したのです。今企業と政府で推し進めているガス油田の開発の実情を一青年が映像を取りながら調べていく番組であった。ほとんど一般の人はどういう方法で天然ガスを取り出して製品化しているのか知らないと思います。店長もその一人であり、この番組を見てその真実の恐ろしさを知ったのです。穴を掘るために水圧破砕法というやり方で大量の毒性の強い化学薬品と水を使うのです。そのためにその周囲にある川や地下水が汚染されて、多くの動植物が死んでいます。今まで地下水を組み上げて水道として利用していた多くの家の蛇口から濁った水が出ています。もちろん飲めませんし、飲んでしまった多くの人が病気になっています。酷い家の蛇口の水はガスが混じり燃えるのです。3年前から始まったシェールガスはウエストバージニア、オハイオ、ペンシルバニア、ニューヨークの4州にまたがる(日本大陸がいくつも入る広さ)に渡っている。下流域のニューヨーク始めいくつかの大都市の市民の上水道もその範囲となっていました。取り出して利用するガスよりもパイプや地下に漏れ出すガスのほうが圧倒的に多いという事実も驚きでした。水ばかりではなく、大量の空気も汚染していきます。
すべての生き物は水によって生かされています。その水を死の水にしてまでガスを利用することはいくら権力や経済力があってもしてはいけないことです。どんな毒性があるのかを現場の労働者には伝えていませんでした。もちろん現地に住む人達にもです。
福島の原発事故によって発電も天然ガスに移行していくでしょう。いかにもエコをうたっていますが、原発よりも少しはマシかというものです。多くの人の生活を奪いながらのエコなのです。私の認識する範囲内のエコでは全くありませんでした。アメリカからその他の外国から多くの天然ガスを輸入している日本は便利に使うことだけを考えていてはいけません。便利さの影にある多くの人の悲惨さを他人事のように無視して生きて行けるでしょうか。携帯電話でも電波の基地局周辺住民の健康被害が広がっています。最近はもっと多くの機能を入れたスマートフォンに移り変わっています。電波も複雑になっており脳波への悪影響も強くなっていますし、便利さ上の電波トラブルも多くなりもっと大型で多くの中継局が必要となっています。
テレビ社会ではアップルの創始者が讃えられていますが、私から言わせてもらえば便利さだけを世の中に広げた人でしかありません。多くの人を幸福に近づけられるガンジーのような人は中々出てきませんね。便利製品というものも行き過ぎては毒にしかならないようです。最新技術・便利・安い・エコと人が喜びそうな物事は世の中の影では皆危ないキーワードでつながっていそうです。
人に迷惑をかけない、便利すぎない、時代遅れな奥手な人生を目指してほしいものです。
 
 
『預言者の黍』 by葉
 
――時は明治45年。
日本ではじめてヨーグルトを製品化した阪川牛乳店が「滋養霊品ケフヒール」という商品を扱ったのが事の始まりだったという。
……一体何の話かって?
きのこですよ、きのこ。
知ってる人は知っている、知らない人はまったく知らない。
白い顔した人気者、ヨーグルトきのこの話です。
……え?胡散臭い?
滋養だとか霊品だとか新興宗教の香りがする?
違う違う、違います。
ヨーグルトきのこは強いて言うなら『に○にく卵黄』とか『○潤』とかと同じ類の、無害な健康食品ですから。
ケフィール、ケフィアヨーグルト、とか言えば
「あ、それ聞いたことあるぞ」という人もいるだろうかと思います。
でも多分、そういう方がイメージしている物体とヨーグルトきのことの間には、かなりのギャップが有るんじゃないかと。
アレの本体、きのこの部分はヨーグルトじゃあ無いですし。
そもそもきのこですら無いですもん。
……少し、興味が出てきましたか?
そしたら詳しく説明しますね。
ヨーグルトきのこ、ケフィールは一見普通のヨーグルト。ただし、よく見るとどこかおかしい。
何か表面に浮いている。ブヨブヨとした白い物体。
これは微生物の塊。
乳酸菌と酵母菌を核として構成された混合菌塊というやつでして、この粒を新鮮な牛乳に加えて2、3日放置すると、発酵が進みヨーグルトが出来ます。
もちろん一般的なヨーグルトを加えた場合も、同じように固まります。
が、そこはやっぱりヨーグルトきのこ。見た目と同じで普通じゃない。
先ほど説明した通り、この粒には乳酸菌以外に酵母菌達も住み着いています。
つまり、ヨーグルトきのこの場合は乳酸発酵とアルコール発酵を同時に行っちゃうんです。
するとどうなるか。
炭酸ガスとアルコールが発生し、軽い発泡性と独特の風味を持った飲むヨーグルトとなるんです。
ヨーグルトきのこの一番の魅力はお手軽簡単なことですね。特別な機器はまったく要らない。
市販の牛乳に漬けるだけなので経済的にもとっても優しい。
もちろん健康にもいいですよ。まあ発酵乳ですからね、胃腸に良いのは当然といえば当然ですけど。
作る牛乳、環境によって風味や粘度も変化するのでいろいろ試してみても楽しい。
……どうですか?ヨーグルトきのこ、作りたくなって来たでしょう?
そんな貴方に朗報です。
現在きんぴら工房では、きのこの貰い主、里親になってくれる方を只今絶賛募集中。
お代は一切頂きません。
きんぴら工房の開店時間内に直接取りに来てもらえれば、その場ですぐにお渡しできます。
ただ、希望者が予想以上に多いことも有り得ないとは言い切れないので、事前にちょちょっとメールでも送って下さるよう願います。
健康的な身体を作って放射能を蹴散らしましょう。
あ、そうそう。ひとつ言い忘れました。
この白い粒、薄々勘付くとは思いますが……生き物ですので増殖します。
毎日毎日少しづつ、膨らみ増える白いブヨブヨ。
長く作れば作るほど、相対的に飲量が増えていくという恐怖。
どうです?ぞくぞくするでしょう?
こりゃもう作るしかないですね!

 
「お知らせ」
 
★味噌作り一緒にしませんか。
2月5日(日)朝8時30〜味噌5キロから10キロ仕込みます。参加費用は実費となります。
あと1名で締め切りとなります。
★古本販売はじめました。
チェコの絵本作家ミルコ・ハナークの『青い鳥』や、武井武雄、初山滋等挿絵装丁の『小川未明童話全集』等あります。
基本的には、絵本、童話の類が多め。
農業関係の古本を増やしていこうかと画策中。
最近、店内の本棚を増設しました。
〈今月の一冊〉 『紅茶キノコ健康法』  
『――キノコに見えるゲル状の何か』
・あなたの親もきっと知ってる!
かつて一世を風靡した健康食品「紅茶キノコ」の火付け本です。
ヨーグルトきのこじゃ刺激が足りないぜ、という怖いもの知らずな方にオススメ。
★今月のきんぴらパン。
マボロシのパン……『なんなんだ』
今回紹介するのはなんなんだ。
なんなんだ。
いや、「なんなんだ」という名前なんです。
ややこしくってごめんなさい。
気をとり直して説明します。
なんなんだ。このパンは普段まったく焼いていません。なんで焼いていないパンの説明をするんだよ、という声が聞こえてきそうですけども、……自分にもよく分かりません。
なんでこのパンにしたんだろう?
まあ、いいや。気をとり直して説明します。
なんなんだ。このパンは中に味噌を包んでいるという斬新なパンです。おまけに茹でてから焼き上げます。ベーグルなんかと同じですね。
美味しい……とは思うのですが、人気がないため生産中止。現在は予約注文を受けた場合だけ作って販売しています。
……おかしいな。詳しく説明すればするほど訳が分からなくなって来た。
なんなんだ、このパンは。
その正体は貴方の口で確かめて下さい。

★自家栽培の小麦粉を取り扱ってくれる方募集中。
南部小麦、ライ麦、黒小麦、スペルト麦の全粒粉。最低仕入れ3キロから対応可能。
卸価格は定価の三割引です。
詳しい内容はメールやFAX等でお問い合わせ下さい。
メール:zouridaisuki@hotmail.co.jp
FAX:0263-53-5494

★3月いっぱい「森を利用する会」会員募集してます。
昨年11月より森作業が始まりました。薪ストーブや風呂沸かしの燃料を薪で行なっている人たちにぜひ参加していただけたらと思います。
赤松や雑木の間伐作業によって荒れた林から森に変えていこうと活動しています。
★ホームページリニューアル。
・きんぴら工房のホームページをリニューアルしました。
パンや小麦の通信販売、きんぴら通信バックナンバー、店長ブログや、原発関連情報など、様々な要素てんこもりです。
自家栽培と天然酵母 農園パン屋きんぴら工房
http://kinpira.zouri.jp/
※旧ホームページの頭からもとべます。
 
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